ブロードバンド難民に贈る一つのヒント

1経緯

ワタクシの本業は、ホームページでも公開しているように、某塗料メーカーの営業職です。当然外回りでお客さんのところにも頻繁に出入りするのですが、私が担当している茨城県というところは、最近つくばエクスプレスの開業などで、何かと注目されており、新築マンションの建築や大型商業施設が次々に開業しています。これで一気に都会の仲間入りかと思ったりしますが、意外とブロードバンド難民が多く、光がきているところは思ったよりもはるかに少なく、未だにADSLが主流だったりします。
ご存知のように、ADSLは距離により接続速度が大きく変わり、中核都市といわれている場所であっても、まともに接続できないなんて話も聞いた事があります。
また、茨城県は関東で1,2を争う農業県ですが、つくば市という都市を有している事もあるためか、結構企業立地も進んでおり、各自治体も工業団地を造成して、企業誘致に躍起になってたりします。しかしながら、そのような工業団地は、当然市街地からは離れており、とんでもない山の中に忽然と姿を現す…なんてことが平然とあったりします。
そういったところは、これまたネットでの光接続など望むべくも無く、良くてADSL、下手するとISDNなんてことも少なくありません。

ということで、私が担当する「とある会社」でもこういった問題があります。その会社の所在地は一応つくば市なのですが、NTT局舎からの距離が遠く、ノイズ対策のため電話回線が既に一部光ファイバー化されており、そのため、ADSLが事実上不可能。また、その会社が存在する集落は、ほとんど田んぼしかないためFLET'S光への加入者が全く望めないことから、FLET'S光でのネットも不可能。事実上料金を気にしないで使えるインフラはISDNしかありませんでした。
つくば市とは言え、こんな状況の場所は日本中ゴロゴロあると思います。
その会社が開業した時から、LANなどのネットワーク関係をほとんど面倒見てましたが、高速なインターネットなんて夢のまた夢であったのです。
最近の会社ですから、業務にはPCは必須であることは言うまでも無く、チマチマとLANなどを構築しておりましたが、ネットに繋げる環境は必須です。でも回線はISDN…メールもロクに使えません。
もうNTTに期待はできない…と考えていました。将来的に衛星か、Wi-MAXくらいしか望みが無いなと思っていたのですが、昨年のイーモバイルの開業が可能性を開いてくれました。

当初、首都圏のみのサービスエリアで開業したイーモバイルですが、徐々にサービスエリアを拡大し、ついに茨城県にも上陸!つくば市なんてのは、色々な研究機関や大企業がありますから、mobile環境は必須な土地柄です。(ちなみに、あのINTEL日本法人も、ついこの前まで本社はつくば市にありました)
その私が担当する例の会社もイーモバイルのサービスエリアにしっかり入ってました。
これは速攻乗り換えるしかない!とISDNから無線への乗り換えをする事にしました。

2イーモバイル以前の環境

前述の通り、会社から外のネットワークに繋げる方法として常時接続可能なのはISDN一択しかなかったのですから、過去の遺物のようなISDNルーターを利用しておりました。

FLET'S ISDNは、現在では128kのサービスが無く、64kサービスのみであり、Yahoo!のトップページを表示させるだけでも1分以上の時間を必要としておりました。
また、ゲートウェイが64kなので、複数PCから外部へ出ようものなら、更に状況は悪化します。当然WindowsUpDateなんてやった事ないし、セキュリティソフトのアップデートもまともにできたためしなんて一度もありませんでした。

2イーモバイル開通後の環境

イーモバイルを含む、モバイル向けのモデムはほとんどがPCカード型がほとんどです。モバイル機器と言えば普通はノートPCかPDAなど。デスクトップマシンは、モバイル機器としては使いません。当然PCカード型インターフェースとなるのが当たり前です。しかし、今回はあくまでも、「会社内ネットワークの外側ネットワークをADSLやFTTHを使わずに高速化する」のが目的です。したがって、上記の図のルーターより上の部分を高速化しなければ、意味がありません。

問題点1

モデムはPCカード型でも問題ありません。PC1台だけを高速化するのであれば問題ありませんし、その1台は別にノートPCでもかまわないのです。また、それを持ち歩き用PCとして使うのが本来のモバイル環境でしょうけど、今回の目的とは大きく異なります。

問題点2

一番の問題はルーターです。もっともイーモバイル側も1回線を複数アクセスに使うなんてことは、あまり予想はしていないのでしょう。普通、モバイル環境でルーターなんて発想はあまりないかもしれませんし。
しかし、現実問題、何とかしてルーターの部分を解決すれば、今までの悩みは全て解決です。

解決策1

デスクトップPCには普通PCカードスロットは装備されている事がほとんどありません。今回はイーモバイルのD02HW、USBタイプのモデムを使用することで解決。これで、普通のデスクトップPCでもモバイル環境が構築できました。

解決策2

一番の問題である、ルーターの問題。
これは、ClientPC2を常時稼動させることを条件に、PCそのものをルーター化。幸いWindowsには、「インターネット接続の共有」という機能が標準でサポートされています。(というか、まさにルーター化そのものです)Windowsを使用することで、モデムのドライバ問題もありません。
今回のケースでは、Windows2003Serverがネットワーク上にありますが、販売基幹データベースが入ってますし、これをルーター化するのは危険すぎるということもあります。それに、そもそもモデムのドライバが2003Serverに対応しているとは思えないので、素直にXPクライアントマシンをルーター化しました。

この方法により、無事にブロードバンド化があっさりと完成。
今回初めてWindowsXPをルーター化しましたが、結構融通が利きません。一番の問題は、ルーターPCのアドレスが決められない事。具体的には、192.168.0.1に固定されてしまいます。したがって複数のルーターを使用する場合には注意が必要となります。特に、従来ゲートウェイのアドレスを192.168.0.1にしている場合は変えなければいけません。次に、DHCP機能に制限があります。今回のシステムでは、DHCPを使用していなかったので、不具合は発生しませんでしたが、DHCPを利用する場合はDHCPによるアドレス配布の範囲が決められた範囲でしか配布されません。多数のPCをネットワークに参加させる場合には、アドレス決め打ちするなどの対処が必要でしょう。

これで、長らくの懸案であった、この会社のブロードバンド化はひとまず完成となりました。
(注 イーモバイルが一つの回線で複数PCからのアクセスを許可しているかどうかは何とも言えません。イーモバイルのADSLサービスは利用の制限は設けていないようですが、無線回線ではFAQには何の回答もありません。
もし、同じような方法を考えておられる方は、あくまでも自己責任にて実行してください。)

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2008,3,16